イチロー選手の引退会見の言葉で思ったこと。

 

イチロー選手の引退は日本では大きなニュースだったのではないでしょうか?私もSNS、おもにツイッターで流れてくるニュースを読み、会見の一部も見ることができました。

イチロー選手の引退会見で、心に残った言葉がありました。忘れないようにここに書き残しておこうと思います。

孤独感を感じながらプレーしていたのかという質問に、それはないと答えた後

 

イチロー選手の会見より ここから。。。。。。

それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと。アメリカでは僕は外国人ですから。

このことは、外国人になったことで、人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分があらわれたんですよね。

この体験というのは、本を読んだり情報をとることはできたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。

孤独を感じて、苦しんだこと多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって、大きな支えになるんだろうと、今は思います。

だから、辛いこと、しんどいことから、逃げたいと思うのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気なときに、それに立ち向かっていく。そのことは、すごく、人として重要なことなんではないかなと感じています。

。。。。。。。ここまで

 

胸に刺さりました。

アメリカに来て驚いたこと。それは自分が外国人になったことでした。

特に25年以上前の日本は(日本には日本人しか住んでいないのが当たり前)というような風潮でした。

結婚して基地の外に家を借りようとしたときに(外国人お断り)がほとんどで、これは自分が外国人、もしくは外国人の家族がいる人しか知らないことでした。

夫は日本が大好きですが、こういう時は落ち込むことも多かったです。

あちこちでこういう目に見えない(差別)にあい、文句も言いましたけど、私の一言では何も変えることはできませんでした。

私は憤りを感じながらも「日本ってこういう国なんだよね」とあきらめていたことも事実です。

そして渡米してアメリカ暮らしを始めて、今度は私が外国人になりました。

いきなりマイノリティーというカテゴリーになり心底驚いたのを覚えています。アイダホの田舎町での生活はつらいものがありました。

どこに行ってもジロジロ見られます。そう夫に言うと「それが日本での自分だったよ」と言われハッとしました。確かに当時はジロジロと見られて私は気にしていませんでしたけど夫の気持ちはどうだったのだろうと、やっと考えることができたのです。

アイダホのある街で「日本人?初めて見たよ!」と言われたこともあります。私は見られるのもすぐに慣れて、こちらからハーイと挨拶するようになりました。

そして初めて会う日本人が感じ悪くてはいかん!!とどこに行っても愛想振りまき(笑)ある意味日本を背負っていたと思います。

近所づきあいを積極的にしてアメリカ人の友達も増えて、そういう気持ちを吐露したこともあります。

友達が増えても群衆の中の孤独、深い孤独感に悩まされることも多かったです。

辛い数年を過ごしてまた日本の基地に異動になったとき、日本国を見る目がすごく変わりました。外国人というマイノリティーに対する思いも。どんな気持ちでいるのかも。

日本に帰ってすぐに、本当にすぐに中古車のお店で「Yナンバー(横田基地)には車売らない)と言われ、福生にあった有名レンタルビデオ屋では「外国人は家族でもカード作れない」と言われました。

その時にはもう「しょうがない」という気持ちは全くなく「こういうことを変えていきたい」と思いました。

ビデオ店はその支店だけの決定だったようで本社から丁重に謝罪され、改善されました。お店側でも多分たくさん嫌な目にあったのだと思います。他の基地のそばにあったビデオ屋では「返さないで本国に帰って困っている」と言われ、基地の電話番号とかけ方など教えました。

日本にいたころ、どちらの気持ちも分かったので、いろいろなことが改善されたらいいなと気がついたことは電話かけたり基地側にも話をしたりしていました。

しばらく架け橋を続けたいと思っていたのですが、そんなある日乳がんにかかり、またアメリカ(ハワイ)に行くことになったのです。

そこからの数年は闘病で自分のことで精一杯でした。家族に支えられここまでやってこられました。

夫と息子には感謝の言葉しかありません。

猫家族も増え、いつも仲良く楽しく暮らしています。

それでも、時々どうしようもない孤独感に襲われる時があります。

日本に帰りたいなあ。

そう思った時に

ああ、もう日本人じゃないんだなあ。帰れないんだなあ。

と思い泣きたい気持ちになります。

本当に家族と別れて日本で一人で暮らしたいわけじゃないんです。それでも、時々、そういう気持ちになったときには今度は(外国人)として日本で暮らさなくてはいけないんだなあと思いました。

3か月だけ。

切ないような悲しいような気持になるときがあります。

特に桜の季節に(桜が咲き始めた)と写真を見たりすると、どーんと沈みます。大好きなんですけどね、だからこそ辛かったんですね。

昨日はそんな日でした。深い孤独感に沈んでいた日。

そんな日にイチロー選手の会見の一部を見て「ハッ」としました。

この経験があるから、人の痛みも想像できるようになったんだなと。そして自分はそれを受け止めればいいんだなと。

そう思うとアイダホでのあの生活があってよかったなと思います。そして何もないあのド田舎生活があったからこそ、オハイオのこの生活もサイコーと思えます。ってどっちにも失礼ですね(笑)

いろいろな経験をして、辛いこともあるけどいつかは自分の糧になる。そう信じています。