昨日の記事の(賃貸滞納者に明け渡しをお願いすることになった)続きです。
「3日の強制退去以外ない!」という弁護士に夫は「そんなことはできない」と入居者とメールや電話で何度も話し合いをしました。
明け渡しも「何日まで」「今月いっぱい」と伸び続け家賃も少しづつの支払いになり、家を出るぎりぎりまで揉めて、当日はもう顔も見たくなかったのか「掃除したからキッチンに鍵は置いておく」と言い出て行ってしまいました。
すぐに夫は家を見に行ったのです。ドアを開けて一歩家に入ったとたん
「ものすごい悪臭で気分が悪くなった」そして「掃除なんてしていない」と青ざめて帰ってきたのです。
綺麗な大きい家でした。賃貸とはいえ住む人の身になって修理をして心を込めたビジネスをしていたつもりです。特に夫は状況も考えてその人に一番良い方法で対処していたと思います。
契約を伸ばしに伸ばして顔も見ないで汚いまま出ていた入居者。なんていうんでしたっけ?後ろ足で泥をかける。でしたっけ?
夫は入居者のいう言葉を信じて考慮してこういう結果になったことがすごくショックだったようです。
「汚いの?私が掃除に行くよ」と言うと「絶対にしばらく行かない方がいい!!」と言い張りました。
いつもは簡単な空き家の掃除は私もしています。キッチンやバスルーム。カーぺーットクリーナーなど大きなところはプロに頼んでいます。
「何の匂い?ゴミとか?動物の匂い?大丈夫よ。私ねえ動物園でもきっと寝られるよ。あはは」(動物好き)なーんて軽く考えていたら
「本当に具合が悪くなるよ、絶対に……行かない方がいい!!」
ううう、怖い。前の家もかなりでしたけど、それ以上とは。
なのですぐ後の惨状は私は知らないのですが、とにかくひどいことになっていたそうです。
前の家、こちらも動物系の匂い&あちこち破壊で修理にすごくお金をかけました。庭の手入れもしていなかったのでガーデニングも。
そのかいあって1つ前の家は売りだして一週間くらいでオファーがあって、すぐに売却できて大喜びしたのですが、今回の家は数か月かかりました。
悪臭はすぐにプロのカーペットクリーナーに頼んで全部洗ってもらいましたけど、匂い全く取れず。カーペットを全部取り換えることにしました。全てのカーペットをはぎ取り、下に敷いていたパッドを取っても匂いは取れなかったので、その下の木も削り、消毒作業もするになったのです。土台まで。
全て終わるまで写真も取れず、修理するうちにあちこち悪いところが見つかって数か月経ち、やっと室内の写真を撮ってサイトに載せたら、大雪の季節。そしてクリスマス、新年と過ぎていきました。
その間もずっとその家のローンを払っています。昔大家さんは「たくさん家を持っていて、だから余った家を貸している」というイメージだったのですが、いえいえ多くの大家の皆さん買った家のローンを払いつつ賃貸業をしているのです。
なので大家業にとって家賃払わない。とか夜逃げ。とか考えられない犯罪です。
そして大家としてではなく、大人が悪臭に耐えられないほどのところに小さい子供と動物(どちらの家にもいました)と暮らしていたことが許せないです。たとえ悪臭の原因が動物だとしても、そんな飼い方ひどいです。
入居者だった人はもう出て行った後は連絡もつかないですし、家賃も払えなかったので弁償できるわけないですね。ペット保証金(Pet deposit)を預かってましたけど、それでは全く足りないです。
私も動物大好きなので、ペット可にしたいんですね。でもこういう常識のない人がいるからペットお断りが多くなってしまうんですよね。
壁もクリーニングそしてペンキ塗り。それぞれ別のプロの人に入ってもらいました。この辺りのことを書いていたのは11月ごろです。
キッチンもだいぶ改造して外のデッキは新しく作りました。腐った場所もあって危なかったからです。
オーバーではなく莫大なお金かかりましたけど、直すたびに家が嬉しそうになって行く気がしました。
12月1月と何回も通って掃除をして2月に入ったら見に来る人も多くなり、やっと決まり昨日クローズという最終契約ができたのです。
若いご夫婦で、この家をとっても気に入ってくれて、本当に良かったです。
書類が終わって(たくさんサインをします)ではカギをと渡した時にすごく嬉しそうで、抱き合ってキスして、この瞬間が本当に嬉しいです。
住んでいなかったけれど一生懸命選び、掃除や修理を重ねた家は愛着があります。大事に住んでくれたら嬉しいなと思います。
長くなりましたけど、今回このことは書いておきたいなと思いました。
今回、たまたまこういうことがありましたけど、不動産投資はとても好きな仕事です。引退しても暮らしていけることに感謝しています。
ほとんどの入居さんは良い方なんです。本当に今回こういう人もいるんだと勉強になりました。
大家さんシリーズはまたいつか書きます。
写真はフリー素材のPixabayより